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【自由研究】学研アリのす観察キットを使ってみました

投稿日:2018年7月26日 更新日:

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夏といえば自由研究の課題ですよね。

何をテーマに選んだらいいのか分からないという方におすすめなのが、場所も手間もさほどかからずに生態を観察できるアリです。

小さな集団ながらも社会が築かれており、知れば知るほど面白みの増す身近な昆虫。

書店でも数種類のキットが置かれていますが、未就学児の息子にも分かりやすそうな学研の'アリのす観察キット'を選んでみました。※現在、発売されておりません。後継が「ふしぎの国のアリのすハウス」になります。

また、小学生の自由研究に必要な項目や模造紙へのまとめ方のコツも紹介します。

キット内容

アリのす観察キット

透明なハウス
ハウスはB5サイズにおさまる大きさで厚みも2㎝弱と、あまり場所を取りません。
アリとりカプセル
捕まえる時に使用するだけでなく、ハウスに設置すればエサをあげる場所にもなります。
2色の砂
アリが砂をどのように運ぶのかを知るのに役立ちます。
ハウスに砂を入れたら、水を少しずつ加えて湿らせます。
アリのす観察シート(9枚入)
厚手のトレーシングペーパーのような紙で、ハウスにできた巣を写し取り、そのまま研究資料として使えます。
ガイドブック
アリの居場所や種類、アリの巣経過写真などが掲載されており、参考になります。
ガイドブックによりますと5日間で巣が完成されておりますので、所要日数1週間位でみておくといいと思います。

アリを10匹くらい捕まえよう

アリを捕まえる

アリを捕まえる

7月某日昼間
付属のカプセルにお菓子のビスコを入れて、 住宅街の道路に面した樹々の下、アスファルトの割れ目で生活しているアリを捕まえることにしました。

ところが しばらく待っていたのですが寄り付きません。
通り過ぎる人が不思議そうに見ていきます。。。

よく見ると巣穴に入りきらなかったであろうダンゴムシなどの死骸が3つ並んであり、ここのアリはもしやタンパク質が好み!?ということで、お菓子は断念。

素手で捕まえる

素手で捕まえる

移動するアリを取り囲むように、地面に両手をつけてトライアングルをつくり、自ずと手に上るのを待ちます。

上ってきたら息を吹きかけて先ほどのカプセルに落とし、10数匹捕らえました。

種類はガイドブックに照らし合わせるとクロヤマアリかなと思いますが、日本には200種以上いるようなのでよく分かりませんでした(汗)

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観 察

1日目(捕獲当日)
捕獲直後はアリたちもパニックになっているようだったが、夜にはハウスの隅の方でひとかたまりになって寝ている様子。

設置場所はリビング。バインダーなどを立てて夜は暗くしておいた。

1

1日目

2日目
朝、目隠しを外すとアリたちも動き出した。

夜、3グループに分かれて近場を動き回るのみで巣作りの気配なし。

エサはカプセルにビスケットを置いておいたもののそのままのため、地面に直接置いてみた。※砂を少なめにしたのでカプセルまでは上れなかったのかも?

1匹だけが反応し食べたが、そのわきでは別のアリが4・5回砂の塊を除けて微動だにせず眠っている様子。

3日目
ビスケットを数匹のアリが食べるのを確認。 ただ、食事以外の動きはみられず。

4日目
動きも食べる様子もなく、ビスケットがふやけていたので直置きの部分と一緒に取り除く。

代わりに、バナナとゆでトウモロコシをあげると、ざわついた後に片隅に固まってしまった。

卵黄とトウモロコシ

4日目

5日目
朝、エサを食べた様子がみられず、かつお節に変更。

直置きしていて砂が硬いと気づき、竹串でほぐしてみた。

昼過ぎには穴掘りを始めており、活発に巣作り。 ただ、単独・3匹で過ごしていたアリは参加しておらず。

巣作り?

5日目

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6日目
午前中も活発に穴掘りしていたが、誤ってハウスを落としてしまい、巣穴も崩れてしまった。

そのせいか?
砂がほぐれたみたいだ。

昼過ぎに見てみると2つの穴に通路が完成していた。

巣作り

6日目

夕方前にみると単独・3匹チームは相変わらず左脇にかたまって微動だにしていないが、残りのアリたちは協力し合ってトンネルづくりをしている。

夜、穴は横広がりをみせ、アリ自身は入口付近でかたまって寝ていた。

昨日のかつお節は食べなかったため、本日はスイカをあげてみる。

7日目
下に向かって長いトンネルができていた。

途中でかたまって寝ており、夕方になって再び動き出した。

巣穴が下に向かっている

7日目

エサは枝豆とゆで卵の黄身。
動かないでいたアリたちだけが、ゆで卵を食べていた。

8日目
下層の茶色い土を掘って白い砂の上に盛り、山になっていた。
よく見ると
ハウスの底にまで到達し、そこから左右の端に向かって掘られてあったが、どこで休んでいるのか確認できなかった。

8日目

8日目

9日目
13時頃、巣穴の出入口付近のトンネル内で働くアリの姿を確認。更に拡張する模様。

エサはスイカ。

10日目
所々を掘ってはいるものの落ち着いた様子。
エサのチーズは1匹が確かめただけで食べなかった。

11日目
見張り役?のアリ2匹は巣穴にいるアリともに寝ている様子。
エサの焼き鳥は食べない。

12日目
再びエサとしてゆで卵の黄身をあげてみる。

13日目
エサはトウモロコシ。カプセルに数匹入っているのを確認。

14日目
食べない

15・16・17日目
不在中に立派な巣を完成させていた。
表裏では巣の形が違っているものの、所々できれいに土が取り除かれていて貫通して見える。

表

15・16・17日

白い砂の上には、茶色と白との粒が混ざって積まれてあり、エサ入れケースにまで到達。

エサにはレーズンをあげておいたが、食べたかどうかが分からず。

18日目
エサとしてカステラの濃い茶色の部分をあげてみると活発に動き出し、群がって食べた。
ただ、口周りがべたついて取り除くことが出来ず、しばらくぬぐっていた。

巣の発展は見られず、餌交換時以外は動かなくなった。

22日目
アリが1匹死んでいたのでそろそろ元の場所へ帰してあげることにした。

お別れに粒あんをあげると、数匹が先に食べ始めた。

ある程度満たされた?アリがハウス内に戻り、再び他のアリとともにエサ入れケースへ行って群がって食べた。

満たされた頃合いをみて、元の場所へ連れていき、ケースとフタを外して地上に置いてみる。

ところが、
殆ど動じず(笑

しばらくして見張りアリAが出ていくと、もともとの巣を忘れてしまったのかのような動きをする。

そこへ、現在もしくは元々同じ所で住んでいるであろうアリが寄ってきて
Aの口先を噛んだまま1m位離れた所まで引きずっていき、途中でAは動かなくなってしまった。

なので、残りのアリは土とともに本来の縄張りから少し離れた木の根元に、土とともに帰した。

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分かったこと

・アリは度々脚や触覚を舐めて洗っている様子なのでキレイ好きかも。

・巣穴を作る際、大きな塊をかじり取ってそのまま持ち運び、斜面や地表付近の難所であろう部分も見事にクリアしていたので、強いあごの持ち主。

あごの力

あごの力(頭よりも大きい粒を運んでいる)

・奥の巣穴を掘った土はリレー方式で運ぶのかと思ったが、各々で掘って・くわえて・運ぶをしていた。

・土を穴の外に置く?捨てるためお山になっていくのだが、崩れることがないように上手く積み上げて固定しているようだ。

ただ、大抵は頂上付近にまで運ぶけど、たまにお山とは別の所に置いたり、お山に積んだ土が転がっても知らないふりする(笑)おさぼりアリもいた。

・女王アリがいなくても役割分担がされている様子。

左端が単独・中央の数匹・右端の団体という3グループに分かれて活動していた。

3グループ

3グループ

単独アリは少なくとも10数日間は左端で過ごし、最終的には死んでしまったので

別の仲間だったのか
捕獲時に怪我をしたか
ある程度長生きしていたアリだったのかも。

中央にいた数匹のアリたちは見張り役で、エサをハウス内に置いた時には味見?毒見?もしている様子。

但し、本格的な巣穴が作られ始まると中央の見張り役も混じって土運びをするようになったので特定できず。

エサをカプセルに入れた際には、1・2匹のアリがきて食べて、別の場所にいるアリたちのもとに行って、におい?または接触して伝えているようだった。

右端の集団は巣穴を完成させたことから労働担当だったようだ。

エサ

捕獲後は警戒心が強いようで殆ど食べる様子がなかったが、土自体に水分を含ませておけば、ある程度食べることが出来なくても平気だった。

その後の様子をみても、数日に1回程度でしか食べなかった(食べた形跡がみられない)

アリは甘いもの好きとは限らない。
ゆで卵を食べたり、道端では昆虫の死骸を運んでいることから、たんぱく質も好んでいる。

えさを巣穴に持ち帰るということは見られなかった。

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研究のまとめ

夏休みの宿題となると手早くまとめたい時があるかもしれませんね。

上記のアリの観察をもとにまとめ方を紹介します。※あくまで参考程度なので、よく調べてまとめましょう。

小学生低学年では模造紙の代わりに観察日記をつけて最後は感想でもよいでしょう。

中学年以降は模造紙にまとめるよう指定があるかと思います。観察内容のほか、疑問や調べたことも加えましょう。

高学年ではより詳しく調べてまとめるとよいでしょう。

観察を通してアリに興味を持った方は、調べる内容を限定して次年度も観察していくと、よりよい研究になります。

まとめるのに必要な項目

タイトル
例として「アリの観察」にします。

動機
・アイスやお菓子の食べこぼしにアリがよくいるけど、どんなものをエサにしているのだろう。
・地面の下にあるアリの巣はどのようになっているのだろう。

予想
・甘いものが好き。でも、死んだ虫を運んでいたりするから虫なども食べるのかも。
・巣は絵本の'ちか100かいだてのいえ'みたいに、所々に穴があるのかも。

準備物
・アリのす観察キット
・お菓子やエサ(具体的に)

観察(方法や内容、日記をつける)
・アリを捕まえた場所、時間、捕まえた方法やエサなどを書きましょう。
・アリの巣を1日1回、または大きな変化が見られた時にトレーシングペーパーなどを使って書き写します。
・そのほか、アリの様子やエサの内容などを記入しておきましょう。

調べる
生態・疑問・観察中に思ったことなどを調べてまとめます。


Q. エサを1・2匹のアリが食べて、別の場所にいるアリたちのもとに行ってエサの情報を伝えているようだったけど、どんなふうに教えているの?

A. アリが地上を歩くのには外敵にやられる可能性があるため、数匹が食べ物集めを担当。
アリは歩き回ってエサを探し、触覚によって食べることのできるにおいを感じとり・目でも(近眼)エサをとらえて食べる。
そのアリが他のしごとをしている仲間のもとへ行き、体内にためておいたエサを吐きもどして口移しで分けてあげたり、エサまでの道のりにフェロモンを出してしるしをつけ、教えている。

結果
観察の結果や分かったこと・感想・更なる疑問など


・やはり甘いものは好きなようだけど、公園などで見かけたアリは死んだ虫を運んでいたり、同じタンパク質である卵黄をあげると食べた。つまり、何でも食べる雑食で、甘いものが好きといってもレーズンやビスケットは食べなかった事から甘いから好き・食べる・貯蓄するとは違うかもしれないし、偏食でもなさそうだ。

また、アリはエサまでの道のりにフェロモンを分泌してしるしをつけていることから、たまたま甘いものを見つけ、仲間たちにエサだと教えているがゆえに甘いものに群がって、それをみた私たちはアリ=甘いものと思ったのかもしれない。

ただ、フェロモンは自然界では雨が降ったりなどで消えることもあるだろうから、人工飼育下では強くみられたことかもしれない。よって、仮説に過ぎず、人工甘味料をはじめ様々な食べ物を与えたり、自然界を想定した環境の下で観察する必要がある。

・巣の方は、最初に穴をつくって、そこから大きな道をほっていき、縦から横に広がっていった。
休憩?や寝床では1つのところにかたまっていて、トンネルの途中で寝ているアリもいた。
ある程度巣が出来ると動きが見られず、巣も発展しないことから完成ということのようだ。

ただ、ハウスという限られた空間での巣作りのため、もっと広いケースで飼育するとどれくらい広がりをみせるのか、深さ何メートルまで及ぶのかを試してみたい。

・そのほかの更なる疑問例

女王アリがいるともっと違った働き方や役割ができるのかもしれない。

雨が降った時にはどのよう過ごすのか。巣穴はどうなるのか。

働きアリの寿命は1~2年ほど。年齢によって役割が異なるのかも。

嗅覚や触覚がどの様なもので、どの程度なのか

参考にした本・web


「アリの生態 ふしぎの見聞録」久保田政雄 著

「アリのくらしに大接近」丸山 宗利 著

web
Ant Room 知力空間 ありんこすぽっと シゼコン自然科学観察コンクール

模造紙でのまとめポイント

タイトルの次に自分の名前を忘れずに書きましょう。

その後、動機・準備物・観察の方法と観察内容(日記)をまとめて書き、結果・感想、あれば更なる疑問。最後に参考にした本・Web名を書きます。

書き方のコツ
模造紙指定ですと、大きすぎて構成に悩んだり文字と余白のバランスが悪かったりして、仕上がりに不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。

そういう時には

・升目入りの模造紙にする
・項目ごとに色紙を分けて書く
・新聞や広告チラシの構成を参考にする

と、まとめやすくかつ見やすくもなります。

アリの観察

アリの観察

それでも余白がある場合にはイラストを入れますと楽しく仕上がります。

一方、
制限枚数内に収まらない時には、トレーシングした巣穴の様子や写真などは縮小プリントし貼付するとよいでしょう。

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