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【出産前から知っておきたい】授乳は母乳それともミルク・混合?

投稿日:2018年2月20日 更新日:

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授乳というと漠然と母乳、産後復職される方の多くはミルクもしくは混合による授乳を検討されている方が多く見受けられますが、産後はお悩みや不安のある方もいらっしゃるようです。あまりにも授乳ギャップが大きいのかもしれませんね。また、的確なケアと指導の求め方が分からないのも一因だと思います。授乳期間は1年~3年位と長く、そこへ赤ちゃんの成長への影響懸念も重なり、授乳ストレスを感じる期間でもあります。少しでも軽減できるよう、早めに母乳やミルクのメリット・デメリットを知ったうえでご検討されてみてはいかがでしょうか。

授乳

妊娠中と産後の授乳ギャップ

初産で身近にも最近出産された経験者がいらっしゃらないとなると、母親学級などで知識を得ても今一つ実感がわかないといいますか、マニュアルを読んだ時のような感覚かなと思います。

授乳に直面して、

母乳がこんなに大変だとは思わなかった。

乳腺炎ってなに!?

ミルク飲んでるせいか、便秘ぎみ

混合でやっているんだけど母乳の飲みが悪い…など

初めて分かることがあり、つまずいて悩み、自分の意とは異なる指導に戸惑い、成長への影響を指摘され不安になるなど少なからず授乳ストレスを抱えている方がいらっしゃいます。

かく言う私自身も初産ではそうでした。

未熟児の双子でしたので母乳を飲む力が弱く、混合のちに母乳へと切り替えていくなかでゆるやかな成長をしていた我が子は定期健診ではとても小さく見えました。授乳に対する考え方も揺らぎましたし、乳腺炎などの母乳トラブルで度々通院したり、ミルクが多いと便秘になって、負のループから抜け出せずにつらかったです。

ただ、それでも母乳推進かつ母乳外来のある産院で出産し、母乳ケアや指導も受けることもできましたのでこれで済んだのだと思います。2回目の出産の際にはミルク派の産院で出産しましたが、初産でだいぶ学びましたのでスムーズに授乳期を過ごすことができました。

当時のことを思うと、授乳法って大事だなと思います。

早くに知っていれば、こんなに悩まなくても済んだんじゃないかなと思うこともありました。

なので、

少しでもお役に立てればと思い、母乳とミルクそれぞれのメリット・デメリットや混合についてまとめてみましたのでご覧ください。

母乳のメリット

・赤ちゃんの心の安定剤

授乳の際に話しかけたり、抱き上げて、吸わせるといった一連の流れで情緒を安定し、母性愛も育まれていきます。

・発達と刺激

乳首を吸うことで顎の発達を促し、咀嚼機能の発達や脳への刺激になるといわれています。

・免疫力

発達段階に適した配合の栄養が含まれています。また、免疫を高める成分が含まれていますので、外部の病原体やウィルスに対する抵抗力や過剰なアレルギー反応を抑制することからアレルギーを起こしにくいともいわれています。これが母乳が重視されている一番のメリットです。

・産後回復が早い

授乳によってホルモンバランスが変化し、産後の子宮回復も早くなります。

・冷凍保存ができる

母乳を搾乳し冷凍しておけば体調が悪く服薬していて授乳が出来ない時、誰かにお世話をお願いする時などに哺乳瓶に入れて飲ませてあげることが出来ます。冷凍保存による期限は1か月です。

余談ですが、赤ちゃんは母乳に含まれた乳糖を分解しエネルギー源の一部としていますが、成長とともに乳糖に対する消化酵素が失われ、離乳食により炭水化物を摂取していくことになります。つまり、栄養面からみた母乳の役割は終わりということになりますが、心の栄養を満たす役割も併せ持ちますので、止めなければならないもの、ではありません。

母乳のデメリット

・授乳間隔が短い

消化機能が未熟な赤ちゃんにとって消化の良い母乳はやさしい食事ではありますが、それゆえに授乳回数が増えて深夜の授乳がつらいということをよく耳にします。
特に双子ですと、深夜に起き上がって同時授乳するほどの体力も辛いものがありますから、その分時間を要し、まとまった睡眠をとるのが難しいです。
ちなみに母乳は2時間で消化しますので、最低でも12回の授乳となりますが(新生児の場合は回数でみるのではなく赤ちゃんが泣く度にあげる)、成長とともに授乳の間隔はあいていき、回数も減ります。

・母乳ケアとお手入れ

母乳の需要と供給のバランスが悪かったり、ママの疲労やストレスなどによって母乳が溜まってしまうと質が悪くなります。また、母乳は脂肪分も多く含みますので、溜まり乳もそうですが、ママの身体が冷えると出にくかったり、ママの食事内容によってはヨーグルトのようなどろっとした母乳になって、詰まりやすくもなります。
このほか、度重なる授乳によって乾燥したり赤ちゃんの歯が生え始める前あたりから噛んだり噛んだまま引っ張ることもあって、傷ができてしまうこともありますので、羊のオイルで保湿の心掛けや溜まり乳の搾乳といったお手入れが必要となってきます。

・ママの食事がそのまま伝わる

全てその通りというわけではありませんが、例えばカレーを食べると、脂肪が多いですし沢山の香辛料を使っていますから、濃ゆくてスパイシーな味のする母乳になると助産師さんに言われたことがあります。

風味だけでなく、ダイオキシン汚染や添加物などの懸念を持っていらっしゃる方もいるかと思いますが、ダイオキシン類においては低下傾向にありますし、無農薬野菜や無添加食品も売られていますので、食品の産地や添加物を確認し、より安全なものを選び、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
また、母乳には、ビタミンⅮが少ないといわれていますが、両手の甲位の面積で15分ほどの日光浴を親子共々できていれば形成されるといわれています。気になるようでしたら魚やきのこ等のビタミンⅮの多く含まれた食材を取り入れてみましょう。

こうしてみると、ママの負担という意味でデメリットになっているのかなと思います。
では、ミルクはどうでしょう。

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ミルクのメリット

・飲んだ量を把握しやすい

母乳では、赤ちゃん自身の吸い込む体力によって飲める量も少なかったりするのですが、哺乳瓶の乳首は出やすくなっているので飲みやすいです。
母乳が足りない、赤ちゃんが小さすぎて上手に飲めない、発達が遅れているなど、必要としている栄養が摂取できない場合にミルクで補給できますね。また、飲んだ量も把握できますから、成長に関する心配やストレスも少しは軽減されるのかなと思います。

・腹持ちが良い

ミルクの成分などによって消化までに3時間と母乳よりも時間がかかるので、腹持ちがよく授乳間隔が長くなります。

・場所を選ばない

胸を露わにしなくていいので外出の行動範囲も広がりますし、パパも授乳・育児の参加ができます。また、腹持ちがいいことも含め、誰かに預けるということができます。

・ママの飲食に左右されない

ママの食事や飲料・服薬の影響を受ける母乳に対し、ミルクは栄養面で一定の品質を保っております。つまり、良質な母乳のための配慮や食事制限をしなくてもいいので、ママの精神的な負担が軽減されます。

ミルクのデメリット

・母乳に含まれる免疫がもらえない。

母乳に近い成分で配合されているとはいうものの、母乳に含まれる免疫力までは摂取できません。

・産後の回復に時間がかかる

母乳による授乳ですと子宮収縮を促すオキシトシンというホルモンが分泌されるのですが、そのホルモン分泌を促す刺激がないので、子宮が回復するまでの時間がかかるといわれています。

・お金や手間がかかる

哺乳瓶、消毒器や携帯グッズなど、初期投資がかかります。
粉ミルクは、800gの缶が安い時で2200円位、消費期限が約1か月です。衛生上の理由から、作って2時間以降および飲み残しは破棄しなければなりませんのでロスが発生します。また、赤ちゃんの成長に伴ってミルクの消費量も上がりますので、経済的負担が増します。
このほか授乳時間ごとにミルクを作り、使用済みの器具はその都度洗浄消毒をしなければなりませんので意外と手間がかかります。双子の場合、哺乳瓶は1人につき3~4本位用意し、付け置きタイプの消毒にしますと深夜の授乳も時短できます。

液体ミルクって?

2019年3月より日本初の液体ミルク販売が開始されました。

液体ミルクは、粉ミルクと同様の成分で作られており、温めずにそのまま哺乳瓶に詰め替えて飲めるタイプです。近年の震災による断水などによってミルクをつくることが困難だった経験をもとに導入されることとなりましたが、常温保存が出来て、計量や外出の際の準備物も少なくて済み、誰でも間違いなく適量を飲ませてあげることが出来るので、ストック・日常使い・携帯用としても使えます。ただし、飲み残しは再利用できませんので使い切りとなります。

グリコ 「アイクレオ赤ちゃんミルク 」
賞味期限 6か月
常温を越えない温度で保存
紙パック入りで専用ストローによってお手持ちの哺乳瓶に移し替えします。
125ml入り

混合とは

母乳による授乳を主体とし、補助的にミルクをあげる授乳の仕方です。
やむを得ない状況や母乳ではママの負担になりすぎて心身のいずれかが不調である時に母乳とミルクの混合を検討することがあると思います。
例えば、育休明けに復職するという方は母乳のちミルクに切り替えるという人もいますし、1か月健診にて発育不良と思われる方には混合を勧められることもあります。
こうした授乳の仕方もあるのだと知っておくと、授乳に対するプレッシャーも少しは和らぎますね。

もう少し深く母乳とミルクによる授乳のメリット・デメリットを知りたい方は、下記の本を読まれてみてはいかがでしょうか。

【書籍】おっぱいの科学 

著者 フローレンス・ウィリアムズ

年頃の?子どもがいると妙な表紙に気づいて大人もハッとするのですが(笑)イラストとは裏腹に、様々な視点と科学的な切り方で胸について、そして授乳についても綴られています。所々、難しい単語もでてきますが、母乳のメリット・デメリットだけでなく、著者の実体験も書かれており、読み応えがあります。

本書において、母乳につきものの食事や環境的な影響を知ると少し恐く感じるかもしれませんし、慎重になるかもしれません。また、ミルクの場合、カロリー摂取過多によって幼児肥満が多いのではないかという説もあること、母乳成分や役割を解明できれば母乳の素晴らしさを知るとともにミルクの質も向上するなど、読めば読むほど、知れば知るほど公平で奥深い内容となっており、最終的には、ママになる私たちに決断をゆだねられていることを改めて気づかされます。

ほかにも、化学物質などの難しいところは私の頭では理解するのに時間がかかるのでとばしてしまったのですけれども(汗)、女性の多き悩みに対するせきららな話や乳がんなど、ついつい興味そそられる見出しで、一通り読んでしましました。たまにある例えが独特すぎてクスッと笑えますし、著者が作家およびジャーナリストでもあるので鋭い現実も書かれてあるので、ある意味、衝撃的でもあります。

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授乳法が決まったら出産する産院選び

授乳法についてさかのぼってみますと、ミルク推進の時代もありますし、アレルギーになりにくい母乳が見直されたりといろんな説がありますね。そして現在では産後の生活を考えたうえで、意に沿うような産院を選ぶ時代になっているようにも感じます。

私自身、双子出産時にお世話になったのは母乳推進の産院でした。

母乳によって0~3歳の愛着が重要な時期に母乳をあげる一連の流れで母性愛や子の情緒面を育むことや免疫をあげることで子の成長の役割も担っているのだと知り、

良いことはしてあげたい。

そう思い、様々な母乳トラブルややむを得ずミルクをあげることもありましたが、最後まで母乳による授乳は続けました。

しかし、母乳を出す条件や質の良い母乳をあげるための食事、ケアなどがあり、ママの負担にもなっていることは確かです。

2回目の出産時にお世話になった産院はミルク派でした。初乳以外はミルクでも大丈夫というような指導や講習があり、母乳にしようと決めていた私は戸惑いました。妙な空気が流れる中、それでも母乳にすることを伝えましたので、プレゼントされたミルク缶を使うことなく退院し、その後の授乳も順調に卒乳を迎えました。

同じ産院で出産されたほかのママさんのなかに、初産でなるべく母乳でやりたいと思ってる方がいらっしゃいました。
母乳の指導はありましたが、ママの疲労やストレスを軽減しようという方針のようで、不安な言葉を聞く度にミルクを勧めていたようです。母乳は初めからスムーズに出るわけではなく根気強く続けることで需要に合った量が生産されるので、すぐにミルクへと切り替えられますと母乳が出てこなくなりますね。母乳外来のないところでしたので退院後もうまくいかず、最終的にはミルク授乳にしたようです。

産院によって指導がだいぶ違うことを実感しました。
また、出産前に授乳法を決めて意に沿うような産院で出産することが授乳ストレスの軽減になるのではないかとも思いました。選択枠がなかったとしても、次の点に注意しておきますともう少しリラックスして過ごせるように思います。

授乳期のストレス軽減ポイント

授乳法を決めておく

産院がどのような方針なのかを事前にリサーチしましょう

母乳外来がない場合には、母乳ケアや授乳相談のできる助産師さんをみつけましょう

信頼できる小児科をみつけ、かかりつけにしましょう

集団健診では個人差を感じることが多々あります。
母乳ですと引き締まってはいるものの小さく、ミルクを飲んでる子は成長が早いように見受けられますが、発育曲線に沿っていれば個人差と捉えていいのではないでしょうか。ただ、発育不良がみられる場合には一時的に混合などの指導を受けます。母乳に対して理解あるかかりつけ医に相談されますと、より信頼できる指導を得られますので早めにご相談されるとよいでしょう。

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