妊娠後期は妊娠8か月~10か月、週数ですと28~39週末をいいます。
臨月は36~39週6日。いつ出産になってもおかしくはない妊娠10か月を表す意味で使われています。
正期産は37~41週6日までをいい、赤ちゃんが生まれてきても対応できるほどに成長発達がなされ、ママの身体も出産するにあたって適した時期といわれており、殆どの方が正期産に出産をされます。
赤ちゃんの成長
おおよその目安
28週 身長40㎝ 体重1800g
36週 身長50㎝ 体重2000~3000g
28週頃には筋肉や聴覚が発達し、身体には皮下脂肪がついてふっくらとしてきます。
また、32週頃までに赤ちゃんは頭を骨盤の方に向けて縦位になるといわれており、胎動の変化を感じるでしょう。
36週では神経・臓器機能・外見上の発育もほぼ完成し、28週より肺呼吸の練習をし始めて赤ちゃんも誕生するための体勢を整えています。
赤ちゃんが小さい
お腹にいる赤ちゃんの身長体重はエコー検査によって導き出しますが、手足や背中を丸めているため実際の身長計測は難しいため、体重と在胎週数が重視されます。
推定胎児体重が赤ちゃんの一部を計測して出しているため約1割ほどの誤差があると言われており、胎児発育曲線に沿って体重が増えているのであれば問題ないようです。
もうひとつの目安として、正期産で体重が2500g以上あれば体の機能がおおよそ成熟しているといわれています。
しかし、低出生体重または在胎週数が36週未満だったとしてもNICU(新生児集中治療室)にてお腹の中にいる時と同じように環境を整え、成長できるよう診てくださいます。
心配な時には
体重が少なく、注意が必要な時には主治医から説明があります。お声がけは無いけれど心配だという時には相談してみましょう。
厚生労働省ホームページ
「推定胎児体重と胎児発育曲線」
我が家の一卵性双子の様子
28週の健診で約1100gと100g。36週ではともに2000g前後に成長しました。
胎動は、お腹全体に大きな動きを感じていましたが、27週では胸の下が引っ張られるようになり、服の上からも動きが分かるようになりました。また、32週では脈打つような赤ちゃんのしゃっくりを感じるようになり、のちにもう一方の子のしゃっくりも感じるようになりました。37週出産。
ママの様子
赤ちゃんの成長に伴って子宮も大きくなり、胃腸などの臓器を圧迫しますので不快な症状も増えてきます。
表面的には、おへそのへこみがなくなるほどにお腹も大きくなってきます。
気持ち悪い 後期つわり
胃を圧迫するので、つわりのような不快感や気持ちの悪さがあり、食事1回の摂取量が減ります。
妊娠10か月以降になりますと赤ちゃんがおりてきますのでママも楽になり、1回の食事量も回復します。
ただ、塩分の取りすぎは浮腫みを促し、糖分・脂肪分の多く含む偏食は母乳トラブルの一因にも繋がりますので、そろそろ食事も調味料の使い過ぎや栄養バランス、アレルギーになりにくいような和食などに少しずつ切り替えられるとよいでしょう。
眠い・眠れない
眠い
妊娠に伴って眠気作用のあるホルモンが多く分泌されるため、日中でも眠気が起きる一因といわれています。
また、月経前の頭痛、だるさ、浮腫み、便秘といった症状もこのホルモンの影響とされていて、妊娠中にも同じようなトラブルが起こる方もいらっしゃるようです。
対策としては、妊娠を維持し赤ちゃんの成長を遂げるために必要なホルモンによる症状ですので、我慢せずに寝るのが一番です。
眠れない・ 寝苦しい
眠気が強いという方がおられる一方で、熱がこもりやすくて眠れない。こむら返りがあって眠れない方もいらっしゃいます。こうした深夜のトラブルによって眠れない方は日中の空いた時間に睡眠をとるようにし、体力を温存しましょう。
このほか、不眠の一因としてお腹の圧迫感もあげられ、寝る時の姿勢がおなかの赤ちゃんに影響をきたすのではないかと心配される方もいらっしゃいます。
胎児は羊水に守られているので心配いらないそうですよ。ただ、仰向けになりますとママの血流が悪くなり、体調不良などのトラブルが起こりやすいので横向きで寝ると良いそうです。
便秘
妊娠によって多く分泌される黄体ホルモンには、体内の水分を保持しようとしたり、腸の働きを鈍くする働きを持っているため、妊娠初期の段階から便秘になりやすい体質にあります。
そこへ、大きくなった子宮によって腸が圧迫されるために腸の働きがより鈍くなってしまい便秘が起こります。
また、お腹が大きいことや体調不良により運動不足になりやすく、出産・育児への不安によるストレス、食生活の乱れによっても引き起こされます。
改善策
ストレス解消や適度な運動を兼ねてお散歩してみたり、ショッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
食事の面では、水分補給や腸内環境をよくする食品を取り入れた栄養バランスのよい食事を心掛けましょう。
とはいえ、現実的にはすべてクリアするのも難しいものがありますよね。
便秘気味だなと感じた時に主治医へ相談してみましょう。
貧血
血液を通して赤ちゃんへ酸素や栄養を届けているので血液量が増えますが、水分を多く含んだ血液ですので濃度が薄く、貧血になりやすい状態にあります。
多胎ですとより貧血になりやすく、疲れも感じやすいでしょう。
一般的に、葉酸・ビタミン・鉄分を多く含む食品を取り入れるなどして食事改善を図ることも大切ですが、つわりなどがあって難しいかもしれません。健診結果によって薬剤を処方されますので服用しましょう。
産院によって異なるかもしれませんが、MDの場合には帝王切開により輸血をする可能性がありますので、手術前に自己血を採って備えるところもあります。貧血を防ぎ、正常な数値に整えておきたいですね。
動悸
赤ちゃんへ血液を送るために心拍数を上げて届けているので、動悸や息切れを感じることもあります。日常的にはゆっくり動くようにし、外出時は時々休むこともふまえたゆとりあるスケジュールにしましょう。
おりものが増える
赤ちゃんがスムーズに産道を通れるように、ホルモン作用によっておりものの分泌を増やします。パンティライナーやおりものシートを使用し、こまめに交換しましょう。
腹痛・お腹の張り
腹痛
便秘、膀胱の痛みからくることもあります。大きくなった子宮や赤ちゃんが下りてきたことにより圧迫され、膀胱あたりが痛くて歩けない方もいらっしゃるようです。このような場合にはこまめにトイレに行き、尿を溜めないようにするとよいでしょう。
お腹の張り
感じることが多くなったり、いつもと違う、安静にしていても痛い時には病院へ連絡を入れましょう。
私個人のことですが、臍まわりにしびれのような前兆があった後に硬くなる張りが1日に数回ありました。健診時にも強い張りが起こり、薬を処方されたことを踏まえると問題のない張りなのかどうかは判断つかないので、ちょっとでも心配するようなことがある時には主治医に相談された方がよいでしょう。
このほか、下記症状がみられたら必ず診察を受けてください。
注意したい腹痛
出血がある
これまでにない激しい痛み
30分ほど安静にしていても痛い
痛みがお腹全体的に、規則的に起こる
腰痛
大きいお腹を支えるために背中が反り返り、腰への負担も増します。
ベルトタイプの腹帯の着用やマタニティヨガやストレッチなどをすると軽減されます。
ただし、腹帯をきつく締めますと血行や体調不良になりますので注意してください。
こむらがえり
大きくなったお腹によって脚への負担が増し、疲労蓄積と血行不良から起こりやすいです。
栄養面では後期つわりなどによってビタミン・ミネラル不足も考えられますから、豚肉や魚介類、豆製品を摂取するよう心がけましょう。
浮腫み
水分を多く含んだ血液が増すために全身の浮腫みにも繋がりやすく、また、大きくなったお腹によってリンパが圧迫されますから血行不良もなりやすく、浮腫みの条件が重なります。
↑これは出産前日の筆者の足で、かなり浮腫んでいるのがお分かりになると思います。
低反発のマット上を歩いているかのような感じで痛いものの、問題ないようでした。
でも、多少の浮腫みはあったとしても抑えておきたいですよね。
浮腫み対策
●長時間、同じ姿勢をとらない。
●塩分・食事バランスに気を付ける。
体重管理のためといって肉・魚を極端に減らすと、たんぱく質不足になり、バランスを崩してしまいます。
●むくみ改善に期待できるというカリウムの多い食品を取り入れる。
リンゴ・柿・トマト・豆類・さつま芋・ショウガ
●歩くなどの適度な運動をする
短時間×数回または休憩時間をはさむなどして、長距離の散歩や過労を避けましょう。
●足を高くして寝る
枕またはバスタオルを丸めた高さぐらい。
●着圧ソックスを着用する
※ただし、圧の度合いやサイズを確認し、適したものを選びましょう。
●マッサージ
アロママッサージや足首を回したり、足の指をグーパーして広げるストレッチをする。膝の曲げ伸ばしも同時に行うとより効果的です。
頻尿と尿漏れ
膀胱を圧迫されることによって頻尿および、立ち上がる時やくしゃみと同時に尿漏れが起きやすくなります。
尿漏れを起こしにくくするために、お尻に力を入れて肛門を引き上げるような運動を1日に10回程行うとよいそうです。
それでも尿漏れが起こる場合、対処法として生理用品やパンティライナーを利用し、こまめに取り換えて清潔を保ちましょう。
頻尿においてはトイレでの一連の作業が煩わしくなるかもしれませんが、適度な水分補給は必要ですのでこまめな摂取を心掛けましょう。
妊娠後期の過ごし方
赤ちゃんの活発さもピークを迎えますが、成長とともにママ側の圧迫感も増しますので胎動の感じ方も変わってきます。
同時にマイナートラブルも増え、早産や多胎の場合ですと管理入院のお話もあって気の引き締まる思いをするかもしれませんが、体調の変化に気をつけつつ、ゆったりと過ごすように心がけましょう。
入院出産の準備
いつ出産の兆しが見えてもいいように、入院や出産の準備をしておきましょう。
準備品は産院によって異なりますので確認し、必要なものをまとめてバッグに入れて置きます。万一の時には旦那さんや付添われる方でも分かるようにしておきたいですね。
また、別途保管しがちな母子手帳、診察券、保険証なども保管場所を定めておくとよいでしょう。
外出
臨月に入りますと、お産がいつ来てもしてもおかしくはない時期に入ります。
体調不良や出産兆候には迅速な対応が求められるのに対し、移動先ではスムーズにいかないこともあります。命にかかわることですので旅行や長距離移動はやめましょう。
里帰り出産の予定がある方は、臨月に入る36週までには移動しておきたいところです。
また、手洗い消毒うがいを心掛け、感染症にも気をつけましょう。
日常生活
お腹が大きくなることで動く際にバランスを崩しやすく、これまで以上に疲れやすくもなります。
入浴
湯船につかる時間を短めにし、足元が滑らないように気を付けましょう。
運動
付近のお散歩やマタニティヨガがおすすめですが、個人により注意すべきことが異なりますので医師に確認を取ってください。
食事
塩分、糖分、脂肪分には気を付け、栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。
外食は、気分転換にもなりますし、和食、オーガニック、ビーガン、精進料理など、種類も豊富なので、お腹の赤ちゃんへの配慮をしたうえで楽しまれるとよいと思います。
双子ママのマイナートラブルと過ごし方
おおよその症状や注意点は上記となりますが、双子ゆえに後期では益々下半身への負担も重くなり、普段の生活もつらく感じるかもしれませんね。
マイナートラブル
症状や度合いは個人差がみられますが、特に双子ママさんはお腹の定位置がつかめず寝付けない、尿漏れ、動作に時間がかかる、つらい、貧血の経験が多いようです。
なかなか改善されないなど、気になることは遠慮なく健診の際に相談してみましょう。
過ごし方
こちらも上記と同じになりますが、双子ママさんは母子ともにリスクが高いので管理入院や緊急入院することもあります。
入院出産準備品や母子手帳などは早めにまとめて、家族にも伝えておきましょう。
同時に、入院や出産後のサポートをしていただける方、サービスなども確認しておきましょう。
帝王切開ですと産後回復も遅く、そこへ授乳による睡眠不足、疲労が募り、体調不良にもつながります。赤ちゃんのお世話をお願いできる方がいると病院へも行くことができますし、心身ともに休むこともできますよ。
食事の面では、貧血予防のために葉酸や鉄分、ビタミンを含む食材を多めに取り入れましょう。
関連記事:【体験談】陣痛の兆候・前触れ・目安・様子|出産と出生届
管理入院の準備や健診回数も増えて、いよいよ出産という期待や緊張、不安なども募りますが、楽しい事を見つけるなどして気分転換を図りつつ、残されたマタニティライフを満喫したいですね。